↑イラストは心理検査中のイメージです

なごやこころのカウンセリングルームで子どもたちに実施している心理検査は数種類あります。

その中でも最も活用されるのが、「ウェクスラー児童用知能検査ファイブ(WISC-Ⅴ)」です。

「ウェクスラー児童用知能検査ファイブ(WISC-Ⅴ)」は、WISCの最新版です。特定の知的領域の認知機能を個別で包括的に測定します。つまり、見たり・聞いたり・処理したり・記憶したりする力の得意・不得意を知る手がかりとなるものです。検査は限られた資格や専門の講習を受けた者しか実施できません。

検査の公平性・信頼性を担保するために検査内容を外部へ漏らしてはいけない、というルールを守っています。実際にこの検査を受けたお子様の保護者様からよく聞くのは、心理検査中は別の部屋や場所で待機させられ、かなりの長時間子どもが何をしているのかわからなかった…という疑問や不安の声です。別室で待機し、見学できないのには理由があります。

早ければ45分間程度で検査は終了しますが、子どもの応答スピードや検査の性質上60〜80分程度の長時間になってしまうこともあります。遊びの要素のある心理検査なので、ほとんどのお子様は刺激に反応しながら楽しく過ごせますが、中には繰り返し考えたり、記憶したりすることなどが辛いと感じてしまい、抵抗感の強いお子様もいらっしゃいます。その場合は途中で休憩を挟むこともあります。(基本的に一度で検査を実施することになっています。)

検査後は実施した検査者が結果をまとめたり計算したりして報告書を作成するので、結果の詳細は後日(目安は約1〜2週間後)となります。検査結果はお子様自身が自己の得意・不得意を改めて知る機会になったり、保護者様がお子様の認知面を客観的に知るひとつの手立てにしていただけます。

また、学校の先生に持参して支援や関わり方を一緒に考えていただく機会にできますし、児童精神科領域の病院へ持参すれば医師の診断や薬の処方、個別最適な配慮の助言をしていただくことも可能です。

心理検査を受けることは「他人に何か大切な秘密が知られてしまうのではないか?」と心配したり、躊躇してしまう人があります。もちろん、そういう気持ちに少なからずなってしまうことは当然ですが、心理検査はその時点でのその人の一側面を知る手だてでしかありません。心理検査でその人の全てがわかるわけではないのです。人は複雑で繊細な生き物です。よりよく生きるための手立てをまずは身近な心理カウンセラーと一緒に考えていけるといいな、と思っていただければ幸いです。

心理検査のご要望は、初回カウンセリング後に実施が可能になります。まずは一度相談にいらしてください。お待ちしております。なお、心理検査の実施は、その間隔を最低1年以上あけなければなりません。前回の結果に納得できないから…などの理由で短期間にやり直すことはしないでください。もし、そのようなお気持ちがありましたら、その旨をご相談いただければ何かお役に立てることがあるかもしれません。お気軽にどうぞ…。